ウォーキングの軌跡をどうやって残すか?
マッピングウォーキングでは、ウォーキングの軌跡を見ることで意欲を駆り立てるという特徴から、ウォーキングの軌跡をどう取得し、記録するかは非常に重要です。
紙の地図に軌跡を残すのもよいのですが、軌跡の概観や詳細を自由に切り替えて見られる点からデジタル情報で記録することを強くお勧めします。
ここでは、デジタル機器を使ったマッピングウォーキングの楽しみを広げる軌跡の記録方法を紹介します。
スマホアプリの使用
最もお手軽なのが、スマホ上でのアプリの使用です。
私のお勧めは「Arc App」という無料アプリです。Androidを使用している方には申し訳ないのですがiOS専用です。
このアプリをお勧めするのは次の2点からです。
(1) 比較的細かく軌跡を記録してくれる
細かく軌跡を記録してくれることはマッピングウォーキングで非常に重要な点です。なぜなら記録が粗いと軌跡も粗い折れ線になってしまい、通った道を正しく再現できないからです。
記録の粗い代表例はGoogleタイムラインです。記録の間隔は5分程度のようですが、下図のようになります。
このように粗いと、右折や左折の軌跡を再現できず、細かい道まで制覇しようとする意欲が失せてしまいます。
一方「Arc App」では3~4秒間隔で記録しているようで、右折や左折も再現されています。
(2) 1年分の軌跡を重ね合わせて表示可能
マッピングウォーキングはウォーキングの軌跡を地図上に重ね合わせる必要があるのですが、その機能を持つアプリはほとんどありません。「Arc App」は、過去1年間の軌跡に限定されるのですが、重ね合わせ表示が可能な数少ないアプリの一つです。
1つのアプリで完結するため、手軽にマッピングウォーキングを始めるのに最適です。
(3) データの活用がしやすい
軌跡データは貴重な財産ですから、スマホの故障やアプリの不具合、またサービスを提供するサーバのトラブルやサービスの停止などに備えてバックアップを取ることができなければなりません。
また、一つのアプリである人のニーズをすべて満たすことは難しく、仮に満たしたとしても将来のニーズを満たすとは限りません。その場合、別のアプリを使って軌跡データを編集や可視化するわけですが、そのためには軌跡データを一般的な形式で外部に書き出せる必要があります。
この点、「Arc App」は全軌跡をgpxという一般的な形式でまとめてダウンロードでき、上記の要求をすべて満たしています。次の図は先ほどのデータをGoogle Mapに取り込んだ例です。
なお、無料のアプリとWebサービスの組み合わせですので、サーバのトラブルやサービスの突然の停止の危険性と常に隣り合わせです。自己責任で、頻繁なバックアップなどの対策をとることをお勧めします。
GPSウォッチの使用
GPSウォッチとは、GPS情報を記録可能な腕時計です。私は米ガーミン社のものを使用しています。
スマホ全盛の今、なぜわざわざお金をかけてGPSウォッチなのでしょうか?
それには次の3つの理由があります。
(1)信頼性
GPSウォッチは、専用機器のため、スマホに比べ信頼性は高いと考えられます。
昔に比べ改善された思いますが、依然としてスマホは不安定になることがあります。上でお勧めしたMovesも、ときどき一時的に記録がストップしていることがあります。軌跡情報は1つの財産ですので、それが失われるのは大きなショックです。
また、GPS情報の記録はスマホのバッテリーの消費を高めると言われています。GPS情報の記録によりバッテリーが空になり、せっかくの軌跡が記録できないことも起こりかねません。
(2) サービスの永続性
上でも触れましたが、スマホアプリのデータを管理するネットサービスは永遠に続く保証はありません。現に私が以前使っていたMovesというアプリはサービス提供元の会社がファイスブックに買収された際に、サービスを停止しました。おそらくですが単純に移動履歴を残すだけの機能ではマネタイズが難しかったのでしょう。
そうなった場合、次のサービスを見つけるまでの間、軌跡を記録できないことになりますし、また、サービスを見つけたとしても使い方のノウハウを獲得するコストが必要になります。
GPSウォッチもネット上のサービスと連携しており、同様のリスクはゼロではありませんが、ハードウェアの販売というビジネスモデルがしっかりしている限りはサービスは安泰だと予想できます。
GPSの限界
GPSを使った軌跡記録では原理上、空の下を歩かない場合、例えば地下街を歩いた場合はもちろん正しく記録されません。
それ以外にも高い建物の側では数メートル、ひどいときは数十メートル、実際に歩いた道と記録された軌跡の座標がズレます。次の図は東京の山手線のほぼ中央を歩いたときの軌跡の比較です。どれだけズレが生じるかお分かりいただけるかと思います。
つまりビル街ではGPSで記録した軌跡はほとんど使い物になりません。その場合は手動で補正しなければなりません。
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